医療者を前にしたあなたやあなたの家族は「やっかいな患者だと思われたくない」「わがままな患者だと思われたくない」「こんな事も知らないと思われたくない」など必要以上に委縮してしまうかも知れません。
また、病気や障害が今後どのように生活や家族等に影響を与えていくのか、不安に陥る事で適切に医療者とコミュニケーションを取ることができないかもしれません。あるいは、医療への不信から医療者と対立してしまうこともあるでしょう。
そんな時、傍らで医療者とあなたやあなたの家族の架け橋になるのがメッセンジャーナースです。
◆メッセンジャ―ナースとは、
「医療の受け手が自分らしい生を全うする治療・生き方の選択を迫られ時に、医療の受け手に生じる心理的内面の葛藤をそのまま認め、医療の担い手との認識のズレを正す対話を重視し、医療の受け手自ら選択・納得に至るまでの懸け橋」になる看護師のこと。
「医師の説明がわからない」「回復の実感がないのに規則だからと退院を迫られた」「早期のがんと唐突に告知された」と不安・不信を抱く患者・家族の声が聞こえてきます。
医師から治療の選択を求められ「どうして良いかわからない」という相談も増えています。急性期病院では、今後も在院日数の短縮・早期退院が進むでしょう。看護師は否が応でも治療・処置中心の業務に追われ、患者・家族は不安や疑問を抱え込むことになります。
急性期から慢性期、入院から退院・在宅に至るまでの間、一貫して患者・家族をサポートする存在がいないという落とし穴があります。医療の現場・医療制度の情勢を鑑みて、医療の受け手の内面に潜む葛藤を受け止め、双方の架け橋になれる存在が求められています。
「看護師として長年培ってきた‘’心とわざ‘’を、誰もが納得して医療を受けられるよう生かさなければ、、、。」その思いを果たすべく、2010年10月にメッセンジャ―ナースは誕生しました。
参考文献:メッセンジャ―ナース 看護の本質に迫る,看護の科学社,2016,ppⅰーⅳ